1軒目の家では、収納に大きな不満はありませんでした。
物の置き場所も決まっていて、家の中もそれなりに整っていました。
それでも毎日の暮らしでは、
「お母さん、ハンカチどこ?」
「今日の持ち物って何だっけ?」
「これ、どこに戻すの?」
そんなやり取りが何度もありました。
家族は困るたびに私に聞き、私はそのたびに答える。
忘れ物がないか確認し、必要な物を探し、片付ける場所を教える。
今振り返ると、家が散らかっていたわけではありません。
家族が私に確認しないと動きにくい家になっていたのだと思います。
2軒目の家づくりで目指したのは、収納量を増やすことではありませんでした。
家族が自分で探し、自分で準備し、自分で戻せる仕組みをつくること。
今回は、私が「家族の管理係」をやめるために見直した収納と動線についてお話しします。
①「片付かない家」ではなく「私しか分からない家」だった
1軒目の家は決して散らかっていたわけではありません。
来客があっても困らない程度には整っていました。
ただ実際には、
・どこに何があるかを私だけが把握している
・家族は自分で探すより先に私に聞く
・物を戻す場所が定着しづらく、声かけがないと片付けが進まない
という状態でした。
家族が何かを探すたびに呼ばれ、忘れ物がないか私が確認する。
気づけば、家の中のことは何でも私を通るようになっていました。
② うまく回っているように見えていただけだった
当時は、それほど不便だと思っていませんでした。
物が出ていれば片付ける。
迷っていれば教える。
忘れ物がないか確認する。
そんなやり取りも当たり前になっていて、家はそれなりに回っているように感じていました。
でも実際は、家がうまく回っていたわけではありませんでした。
気づかないうちに、足りない部分を私が補っていただけだったのです。
だから私が忙しい日ほど、
「○○どこ?」
「どうするんだったっけ?」
「ここでいい?」
が増えていたのだと思います。
③ 2軒目で考えたのは「確認しなくても動ける仕組み」
これではいけないと思い、2軒目では収納量や見た目より先に、
家族が私に確認しなくても動けることを考えました。
意識したのは、
・置き場所を迷わせない
・行動の流れをシンプルにする
・使う場所の近くに戻す場所をつくる
ことです。
収納を増やすというより、
判断や確認が必要な場面を減らしたかったのです。
例えば、学校用品は玄関周辺に集約し、服選びも玄関横のファミリークローゼットで完結できるようにしました。
探す、準備する、出発する。
その流れをできるだけシンプルにしています。
④ 一番効果があったのは“できない理由”を減らしたこと
我が家には知的障害のある子どもがいます。
一般的な子育てであれば、繰り返し教えることで少しずつできるようになることも多いと思います。
私自身も、何度も声をかけたり、一緒にやったりしながら教えていました。
しかし実際には、同じことを繰り返しても定着しないことが少なくありませんでした。
昨日できたことが今日はできないこともあり、
「できるようにする」こと自体に限界を感じる場面もありました。
そこで2軒目の家づくりでは、考え方を変えました。
「どう教えるか」ではなく、
「どうすれば自然にできる状態になるか」です。
特にアウター収納は見直しのポイントでした。
1軒目ではポールの位置が高く、子どもが自分で使うには難しい高さでした。
また、アウターをハンガーに掛ける作業そのものも、当時の子どもには少しハードルが高かったように思います。
そのため、帰宅後は置きっぱなしになったり、最終的には私が片付けたりすることも少なくありませんでした。
そこで2軒目では、まず「自分で片付けられること」を優先しました。
ブランコハンガーにフックを掛け、帰宅したら上着をサッと掛けられるようにしています。
フックであれば、今の子どもでも無理なく続けられます。
一方で、ブランコハンガー自体はそのまま使えるので、手先がもう少し器用になればハンガー収納へ移行することもできます。
今できる方法を用意しながら、成長に合わせて次のステップへ進める。
そんな考え方で収納をつくりました。
アウター収納はその一例です。
家族が自分でできることを増やすために工夫した収納や動線については、これからも別の記事で紹介していきたいと思います。
まとめ|収納を変えたかったのではなく仕組みを変えたかった
2軒目で見直したのは収納そのものではありません。
家族が私に聞かなくても動ける仕組みです。
置き場所を決める。
戻す場所を決める。
次の行動が分かるようにする。
そんな小さな工夫を積み重ねた結果、
私が管理しなくても回る場面が少しずつ増えていきました。
家づくりで本当に変えたかったのは収納の量ではなく、家族が自分で考え、自分で動ける暮らしだったのだと思います。
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